～楽曲解説～
めずらしい編成の木管八重奏です。Flute 1 はPiccolo に、Oboe はEnglishhorn に持ち替えがあります。 ドビュッシーの色を充分に出せる編成とアレンジです。この曲は編曲者の今野氏の希望により、 売上の一部を東日本大震災の復興支援金として寄付することになっています。

アンサンブルのグループを組む際、学校現場はどうしても混合編成が出てしまいますが、混合編成でも全国大会までの可能性を持たせたい一心で、 平成22年度アンサンブルコンテスト出場にあたって、私が顧問を務める福島県立相馬高等学校吹奏楽部の為に編曲いたしました。 地区大会、県大会、東北大会、全国大会へと駒を進めることができる中、私が当時の演奏する生徒のアイディアを頂きながら協力して何度も書き直してできあがった楽譜です。 平成23年3月11日、相馬市役所での全国大会出場激励演奏会で演奏させて頂き、その2時間後の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故により、 私達は全国大会出場への道が閉ざされ、また、10日前に卒業したばかりの打楽器パートリーダーを津波で亡くしてしまいました。絶望感が漂う中、 全国各地からの励ましの電話、メールやお手紙、そして被災地相馬の為に沢山の方々からご支援頂きまして、絶望の状況から私達は這い上がって来ることができました。 私達は一生、この時期のことを忘れることはないでしょう。この曲を聴く度に、スコットランド行進曲=東日本大震災という感覚が甦ってきます。演奏の記録は残りませんが、 楽譜の出版という形で記録として残ってもらえれば・・・鹿児島での全日本アンサンブルコンテストで全国の皆さんにご披露できなかった分、 私達のこの曲にかけた想いを皆さんに少しでも感じて頂けたら、この上ない喜びでございます。出版に際しまして私の想いを汲み取って下さった山本教生先生、 川原明夫先生をはじめアコード出版の皆様に心より感謝申し上げます。

【編成】
木管8重奏(Fl.3 / Ob. / Bsn. / A.Sax. / T.Sax. / B.Sax.)
※Fl.1はPicc.に、Ob.はEnglish hornに持ち替えがあります。